写真: 石塚 陽翔「今日の終わり」
(第6回中学生・高校生フォトコンテスト佳作)
(公財)藤原ナチュラルヒストリー財団設立40周年記念事業
藤原ナチュラルヒストリー振興財団は、2020年に設立40周年を迎えることとなりました。1980年の創設以来、2012年の公益財団移行を経て、2019年3月までに780件に及ぶ研究助成と95件の高等学校助成がなされ、創設者である藤原基男氏の遺志は、日本の自然史研究・普及において豊かに結実しています。40周年という佳き節目に、新たな自然史の種子を社会で芽吹かせるべく、これまでの助成成果を生かした記念事業を企画することとなりました。具体的には、下記の事業を計画しております。
- 1.「自然史を学ぶフィールド活動」等の共催・協賛
- 2. シンポジウムの開催
- 3. 他の記念事業
(公財)藤原ナチュラルヒストリー振興財団 理事長挨拶
当財団は、ナチュラルヒストリーの研究の振興に寄与することを目的に、1980年に設立され、2012年に公益財団法人に移行しました。そして今年で40周年を迎えます。
そこで、原点とも言うべき自然観察を採り上げ、40周年記念事業として「みんなで探る自然史シリーズ-自然とともに歩む-」と題して、自然観察会を開催することといたしました。
自然界における生物の営みに多大の関心をもち続け、ナチュラルヒストリーに関する学術研究の振興を通じて社会に貢献することを目的として、当財団は今後とも事業活動をして参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
1. 自然史を学ぶフィールド活動「みんなで探る自然史シリーズ-自然とともに歩む-」
人類は自然界の一員として、自然から恩恵を受け生きています。
どの時代にあっても、自然界を興味深く観察し、自然との好ましい共生方法を生み出すことがなければ人類の持続可能性は絶たれます。自然史はそのような発想を啓蒙し続けることができる唯一の分野です。
専門家が企画する野外での観察会・講座・イベントを共催・支援することで、まずは素直に感動し,自然から学ぶ喜びを味わっていただくための機会を提供します。
[注意] 新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴い、以下の観察会・講座・イベント等の開催が中止もしくは延期されている可能性があります。詳細については、各イベントの主催者にお尋ね下さい。
参加団体・イベント一覧 (順不同)
(公財)高知県牧野記念財団(高知)
- 植物分類学セミナー「植物調査のやり方(初級)」 1.初めての調査 2.初めての標本づくり
- 報告書 「植物調査のやり方」7月23日 (PDF|531KB)
- 日程: 終了 2020年7月23日(木・祝)
- 場所: 高知県立牧野植物園本館映像ホール
- 対象: 植物調査ボランティア(初級者)および調査ボランティアになってみたいと考えている方
- 人数: 各20名
- 終了 植物分類学セミナー 植物調査のやり方 [高知県立牧野植物園] アナウンスページ
鳥羽市立海の博物館(三重県)
- 海の博物館周辺の海で ウミウシを探そう!
- 報告書 海の博物館周辺の海で ウミウシを探そう! 7月23日 (PDF|453KB)
- 報告書 海の博物館周辺の海で ウミウシを探そう! 8月2日 (PDF|446KB)
- 報告書 海の博物館周辺の海で ウミウシを探そう! 8月22日 (PDF|399KB)
- 日程: 全て終了 2020年 7月4日(土)中止・7月23日(木・海の日・祝)・8月2日(日)・8月22日(土)
- 場所: 海の博物館の周辺海域
- 対象: 小学生以上
- 人数: 1回の開催で10人、3回の開催で合計30人
- 終了 海の博物館周辺の海で「ウミウシを探そう!」ポスター (PDF|640KB)
NPO行徳自然ほごくらぶ(旧:野鳥観察舎友の会)(千葉県)
- 江戸前干潟研究学校
- 報告書 「江戸前干潟研究学校」7月25日 (PDF|446KB)
- 報告書 「江戸前干潟研究学校」8月23日 (PDF|428KB)
- 報告書 「江戸前干潟研究学校」9月13日 (PDF|397KB)
- 報告書 「江戸前干潟研究学校」10月11日 (PDF|685KB)
- 報告書 「江戸前干潟研究学校」2021年11月21日 (PDF|788KB)
- 日程: 2020年度終了 2020年7月25日(土)・8月23日(日)・9月13日(日)・10月11日(日) 2021年度終了 11月21日(日)
- 場所: 行徳鳥獣保護区
- 対象: 生き物・自然に興味のある一般市民・学生(年齢不問)
- 人数: 各回10名
- 終了 江戸前干潟研究学校 [行徳野鳥観察舎友の会] 10月11日アナウンスページ
- 終了 江戸前干潟研究学校 [行徳野鳥観察舎友の会] 7月25日アナウンスページ
- 終了 江戸前干潟研究学校 [行徳野鳥観察舎友の会] 8月23日アナウンスページ
- 終了 江戸前干潟研究学校 [行徳野鳥観察舎友の会] 9月13日アナウンスページ
- 終了 江戸前干潟研究学校 [行徳野鳥観察舎友の会] 2021年11月21日アナウンスページ
行徳生物多様性フィールドミュージアム研究会(千葉県)
- フィールドミュージアム観察会
- 報告書 フィールドミュージアム「行徳カニ探検隊」8月29日 (PDF|735KB)
- 報告書 フィールドミュージアム「水路の生き物探し」9月21日 (PDF|752KB)
- 報告書 フィールドミュージアム「ヤゴを探そう」10月25日 (PDF|524KB)
- 日程: 終了 2020年 8月29日(土)・9月21日(月・祝)・10月25日(日)
- 場所: 行徳鳥獣保護区
- 対象: 一般市民・学生・小中高校生(保護者同伴で幼児も可)
- 人数: 各回10名程度
- 終了 フィールドミュージアム「行徳カニ探検隊」 8月29日アナウンスページ
- 終了 フィールドミュージアム「水路の生きもの探し」 9月21日アナウンスページ
- 終了 フィールドミュージアム「ヤゴを探そう」10月25日アナウンスページ
ふじのくに地球環境史ミュージアム(静岡県)
- 日本平で学ぶ地学 ~地層見学と化石観察~
- 報告書 サマーシーズンイベント2020 日本平で学ぶ地学 ~地層見学と化石観察~8月23日 (PDF|6795KB)
- 報告書 秋の文化祭2020 日本平で学ぶ地学 ~地層見学と化石観察~10月25日 (PDF|1282KB)
- 日程: 全て終了 2020年 8月23日(日)・10月25日(日)
- 場所: 静岡市駿河区中平松(野外観察会)とミュージアム内(室内実習)
- 対象: 小学生(3年生以上推奨)と保護者
- 人数: 20名
- 終了 日本平で学ぶ地学 [サマーシーズンイベント] 8月23日アナウンスページ
北海道大学総合博物館(北海道)
- パラタクソノミスト養成講座 昆虫初級・コウチュウ目上級 / 植物初級・中級 / きのこ初級
- 報告書 昆虫初級 9月19日~20日 (PDF|642KB)
- 報告書 コウチュウ目上級 10月17日~18日 (PDF|777KB)
- 報告書 植物初級 9月12日 (PDF|1045KB)
- 報告書 植物中級 10月3日~4日 (PDF|1299KB)
- 報告書 きのこ初級 10月10日 (PDF|368KB)
- 日程: 全て終了 2020年 昆虫初級9月19-20日(土-日)&コウチュウ目上級10月17-18日(土-日)・植物初級9月12日(土)&中級10月3-4日(土-日)・きのこ初級10月10日(土)
- 場所: 北海道大学総合博物館
- 対象: 昆虫(初級:小学4年生以上、上級:中学生以上) / 植物(初級:大学生・一般、中級:大学生・一般で植物初級修了者) / きのこ初級(中学生以上)
- 人数: 昆虫(初級8名、上級8名) / 植物(初級5名、中級12名) / きのこ(初級10名)
- 終了 パラタクソノミスト養成講座「昆虫初級」ポスター (PDF|379KB)
- 終了 パラタクソノミスト養成講座「コウチュウ目上級」ポスター (PDF|376KB)
- 終了 パラタクソノミスト養成講座「植物初級」ポスター (PDF|392KB)
- 終了 パラタクソノミスト養成講座「植物中級」ポスター (PDF|380KB)
- 終了 パラタクソノミスト養成講座「きのこ初級」ポスター (PDF|384KB)
千葉県生物学会(千葉県)
- 自然活動普及部野外観察会 秋の観察会2020年度
- 報告書 秋の観察会 10月18日 (PDF|929KB)
- 日程: 終了 2020年10月18日(日)午前9時30分~13時頃(春の観察会は中止)
- 場所: 千葉市泉自然公園
- 対象: 一般市民・学生・小中高校生(保護者同伴で幼児も可)
- 人数: 20名程度
- <詳細は千葉県生物学会へお問い合わせ下さい。>→終了 千葉県生物学会Webサイト
- 自然活動普及部野外観察会 秋の観察会2021年度
- 報告書 秋の観察会 11月3日 (PDF|837KB)
- 日程: 終了 2021年11月3日(水・祝)午前9時30分~14時頃
- 場所: 長生村尼ケ台総合公園・大芝の湿原
- 対象: 一般市民・学生・小中高校生(保護者同伴で幼児も可)
- 人数: 20名程度
- <詳細は千葉県生物学会へお問い合わせ下さい。>→終了 千葉県生物学会Webサイト
- 千葉県自然誌フェスタ観察会
- 日程: 中止
- 場所: 千葉県立中央博物館周辺
- 対象: 一般市民・学生・小中高校生(保護者同伴で幼児も可)
- 人数: 20名程度
大阪市立自然史博物館(大阪府)
- テーマ別自然観察会「石桁網のよりかす」
- 報告書 「石桁網のよりかす」10月25日 (PDF|453KB)
- 日程: 終了 2020年10月25日(日)
- 場所: 大阪市立自然史博物館
- 対象: 幼児~大人
- 人数: 60名
葛西臨海水族園(東京都)
- 高校生・大学生向け講座「海の学び舎」Researchers of Aquarium -水族園の研究活動-
- 報告書 「海の学び舎」 第1回フィールド調査でわかったユウゼンの生態 10月25日 (PDF|330KB)
- 報告書 「海の学び舎」 第2回執念のメンダコ研究 12月20日 (PDF|282KB)
- 報告書 「海の学び舎」 第3回新種を見つける~超深海から海辺まで~ 2021年2月28日 (PDF|252KB)
- 日程:全て終了 2020年 10月25日(日)・12月20日(日) 2021年2月28日(日)
- 場所: リモート開催
- 対象: 高校生、大学生
- 人数: 2月28日 50名
- 終了 高校生・大学生のための「海の学び舎」2020年12月20日アナウンスページ
- 終了 高校生・大学生のための「海の学び舎」2020年10月25日アナウンスページ
- 終了 高校生・大学生のための「海の学び舎」2021年 2月28日アナウンスページ
- 終了 東京都プレスリンク
岩手県立博物館(岩手県)
- 第81回自然観察会「干潟の生きものを観察しよう」
- 報告書 「干潟の生きものを観察しよう」2021年5月30日 (PDF|1285KB)
- 日程: 終了 2021年5月30日(日)10:00-12:00
- 場所: 宮古市金浜(津軽石川河口干潟)
- 対象: 小学生以上の一般
- 人数: 20名
- 第81回地質観察会「1億年前のサンゴ礁の海を見てみよう」
- 報告書 「1億年前のサンゴ礁の海を見てみよう」2021年6月26日 (PDF|317KB)
- 日程: 終了 2021年6月26日(土)10:00-15:00
- 場所: 田野畑村ハイペ海岸
- 対象: 小学生以上の一般
- 人数: 20名
むつ市海と森のふれあい体験館(青森県)
共催: 南三陸町自然環境活用センター
- 海の大河が育む豊かさを探る~イルカが跳ね、海藻がそよぐ海を訪ねて~(イルカ観察会)
- 報告書 「海の大河が育む豊かさを探る~イルカが跳ね、海藻がそよぐ海を訪ねて~」イルカ観察会 2021年6月5日-6日 (PDF|319KB)
- 日程: 終了 2021年6月5日-6日(土-日)
- 場所: 陸奥湾、むつ市海と森のふれあい体験館・脇野沢小学校ドルフィンクラブ
- 対象: むつ市立脇野沢小学校児童、宮城県南三陸町自然環境活用センターエコクラブ会員メンバー
- 人数: 合計30名予定
南三陸町自然環境活用センター(宮城県)
共催: むつ市海と森のふれあい体験館
- 海の大河が育む豊かさを探る~イルカが跳ね、海藻がそよぐ海を訪ねて~(交流会)
- 報告書 「海の大河が育む豊かさを探る~イルカが跳ね、海藻がそよぐ海を訪ねて~」交流会 2021年8月5日 (PDF|249KB)
- 日程: 終了 2021年8月5日(木)
- 場所: Zoomによる活動報告・交流会
- 対象: むつ市立脇野沢小学校児童、宮城県南三陸町自然環境活用センターエコクラブ会員メンバー
- 人数: 合計30名予定
東京都生物教育研究会(東京都)
- ムササビとムササビの森を見よう!
- 報告書 ムササビとムササビの森を見よう! 2021年8月28日(土) (PDF|777KB)
- 日程: 終了 2021年8月28日(土)
- 場所: 高尾山薬王院(東京都八王子市)
- 対象: 中学1年生~高校3年生
- 人数: 30名
(一社)ヤマネ・いきもの研究所(山梨県)
- ちょこっとのぞき見!「ヤマネの住む秋の森探検隊」
- 報告書 ちょこっとのぞき見!「ヤマネの住む秋の森探検隊」2021年10月9日(土) (PDF|236KB)
- 日程: 終了 2021年10月9日(土)10:00-12:00 オンライン開催
- 場所: 山梨県八ヶ岳山麓の森から実況中継 リモート観察会
- 対象: 小学生からシニア世代まで(未定)
- 人数: 50組(先着順)
- 終了 ちょこっとのぞき見!「ヤマネの住む秋の森探検隊」チラシ (PDF|843KB)
- 終了 ちょこっとのぞき見!「ヤマネの住む秋の森探検隊」2021年10月9日アナウンスページ
Terra自然研究舎(福井県)
- 越前町小曽原のマコモを観察する-マコモダケと黒穂菌(寄生と共存の科学)-
- 報告書 「越前町小曽原のマコモを観察する-マコモダケと黒穂菌(寄生と共存の科学)-」2021年10月10日 (PDF|5471KB)
- 日程: 終了 2021年10月10日(日) 9:00受付開始 14:00解散予定
- 場所: 福井県越前町小曽原(おぞわら)
- 対象: 小学生~一般
- 人数: 25名
- 終了 越前町小曽原のマコモを観察するーマコモダケと黒穂菌(寄生と共存の科学)ーチラシ (PDF|1,114KB)
NPO法人徳之島虹の会(鹿児島県)
- 私たちの島、世界自然遺産となった徳之島で秋を見つけよう(散策)
- 報告書 「私たちの島、世界自然遺産となった徳之島で秋を見つけよう(散策)」2021年10月12日 (PDF|1422KB)
- 日程: 終了 2021年10月12日(火)9:50-12:15
- 場所:徳之島伊仙町林道(義名山周辺、カムィヤキの森遊歩道、農道等のうち決定)
- 対象: 伊仙町立伊仙小学校1年生
- 人数: 30名(引率含む)
- 世界自然遺産の徳之島でどんぐりを調べてみよう
- 報告書 「世界自然遺産の徳之島でどんぐりを調べてみよう」2021年10月13日 (PDF|1109KB)
- 日程: 終了 2021年10月13日(水)9:40-12:15
- 場所: 世界自然遺産登録地「剥岳林道」、犬田布岳裾野、阿含糸木名線(町道)のいずれか
- 対象: 犬田布小学校5-6年生
- 人数: 27名、他引率者
東京日曜地学ハイキング(埼玉県)
- 第204回東京日曜地学ハイキング-埼玉県秩父盆地のおいたち;地形・地質・歴史-
- 報告書 「第204回東京日曜地学ハイキング-埼玉県秩父盆地のおいたち;地形・地質・歴史-」2022年3月13日 (PDF|727KB)
- 日程: 終了 2022年3月13日(日)
- 場所: 秩父鉄道大野原駅と和同黒谷駅までの荒川沿い
- 対象: どなたでも参加できます(小学生連れご家族を含む)
- 人数: 20名
(公財)藤原ナチュラルヒストリー振興財団
共催: 東北大学・東北福祉大学
- シンポジウム『海と地球の自然史--変わりゆく海洋環境から海洋プラスチックごみまで地球の問題を考える--』
- 日程: 終了 2021年10月24日(日)
- 場所: 仙台国際センター(ハイブリッド形式開催)
- 対象: 一般、大学生、高校生、研究者、教員
- 人数: 会場30名、オンライン参加人200名
九州大学総合博物館(福岡県) 中止
- 中止 驚異の図鑑 昆虫の微細構造
- 日程: 中止
- 場所: 志摩歴史資料館(糸島市)(予定)
- 対象: 小学生から大人
- 人数: 未定
2. シンポジウムの開催
「地球と海の自然史ー深海から海洋マイクロプラスチックまで地球の問題を考える」
- 日時
- 2021年10月24日(日)予定
- 場所
- 仙台国際センター(ハイブリッド型開催予定)
- 主催
- 公益財団法人藤原ナチュラルヒストリー振興財団
- 共催
- 東北大学・東北福祉大学
- 対象
- 一般、大学生、高校生、研究者
3. 40周年記念冊子
設立40周年記念誌PDF版公開について
皆様におかれましては、時下ますますご清栄のことと拝察申し上げます。
当財団は設立以来、ナチュラルヒストリーの向上と、多様な研究活動支援のために微力ながら寄与してまいりました。研究助成金を受けた研究者は900名を数え、高等学校助成は190校を超えています。このたび、当財団設立40周年記念事業の集大成として編集を進めておりました記念誌「ナチュラルヒストリーとともに」が完成いたしました。この間、COVID-19蔓延という困難に遭遇し、事業開始から4年を費やすこととなりましたが、この冊子の完成をもちまして、事業の終了を報告させていただきます。皆様の温かいご理解とご支援に感謝申し上げます。
本誌は財団の助成が結実してきた証であるとともに、自然史の奥深さと面白さを存分に伝える、希有なエッセイ集となりました。1,000部を作成した冊子体は、関係者、諸機関に配布いたしましたが、ここにpdf版を公開いたします。自然史の世界をご堪能下さいますとともに、多方面にご紹介いただければ幸いです。なお、掲載内容や素材の無断のご利用は、お控えくださるようお願い申し上げます。ヒトは母なる自然が豊かであるからこそ、この惑星に生まれ、育まれてきました。地球の歴史45億年を365日とすれば、ヒトの歴史はわずか2分20秒ほどにすぎません。21世紀を迎えた今、皮肉なことにヒト自身がそのいのちの源である自然を過剰に損ない、「持続可能性」という奇妙な言葉に翻弄されながら、いまだに争いを続けています。なぜ、ヒト社会は過ちを繰り返すのでしょう。それは、ヒトが生物として世代交代を繰り返すためであるともいえます。現代の混乱する世界を救うためには、次の世代に自然とヒト同士の共存をめざす佳き心を育て、それを継承することが肝要です。自然史は、自然の理解を通じて人の心を育てることができる学問です。このことに昭和の高度経済成長期にいち早く気づき、当財団を設立された故藤原基男氏の慧眼には、あらためて敬服いたします。本誌をゆっくり読み進めていただき、71ページに引用されている漢詩に出会って下さるならば、当財団の40年をさらに将来に繋ごうとする心をお汲み取りいただけるものと存じます。
皆様の一層のご発展とご健勝をお祈りいたしますとともに、今後とも財団へのご支援をよろしくお願い申し上げます。
東京都目黒区上目黒1丁目26番1号
中目黒アトラスタワー313
- TEL
- 03-3713-5635
当財団は、ナチュラルヒストリーの研究の振興に寄与することを目的に、1980年に設立され、2012年に公益財団法人に移行しました。財団の基金は故藤原基男氏が遺贈された浄財に基づいています。氏は生前、活発に企業活動を営みながら、自然界における生物の営みにも多大の関心をもち続け、ナチュラルヒストリーに関する学術研究の振興を通じて社会に貢献することを期待されました。設立以後の本財団は、一貫して、高等学校における実験を通じての学習を支援し、また、ナチュラルヒストリーの学術研究に助成を続けてきました。2024年3月までに、学術研究助成883件、高等学校への助成127件を実施しました。